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ぐだぐだわーくす

意識低い系目標を掲げて達成をもくろむBLOG

「ポイ捨て」「歩きタバコ」禁止条例の無力さに思ったこと

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こんにちは!DAC(id:dacs)です。

先週の今日あたりに火付き煙草のポイ捨てに思うところをエントリに書きました。
www.gudaguda.work

このエントリ中で対策の一つとして条例も例に挙げたのですが、関連条例の中でも先鞭をつけた千代田区の条例でどうも上手く回っていない面があるという話を耳にしました。

ポイ捨ての罰金を後払いにして支払わない人が結構いる

www.asahi.com


15年度の処分件数7207件のうち未納は1044件。違反者の約75%がその場で納付したが、後日納付を選んだ人のうち7割近くが期限内に支払わなかった。区では督促状を送るなどしているが、住所や氏名はあくまで本人申告によるもので、徴収に限界があるのが実情だ。

少々分かり難いので整理してみたところ、何か計算結果が合いませんでした。
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計算式間違えたかなあ??とはいえ、自分の計算では後払い者の内58%が未払い、処分件数の内14%が未払いです。個人的には、取り立てて支払い率が低い感じは受けなかったのですけれど、そもそも100%支払うべき罰金という位置づけならこれは14%どころか1人でもいたら大問題ではないかと思うのです。

しかし、引用にもあるように区は教えられた住所、氏名に対し督促状を送りはするものの徴収出来ない状況にあるようです。でも、この表現モヤッとしますね。何で徴収できないかはっきり書いていません。

なんで徴収できないのか?

そもそもここ当たり前のように書かれていますけど変ですよね。「本人申告の住所や氏名だから徴収できない」というのは、もっとはっきり書くと「本人申告だからその場しのぎに虚偽の氏名や住所を伝えても問題が無い」「本人申告が事実その人の氏名住所であることの裏付けが取れない、取る権限が無い」のように読み取れます。だからこそ、記事のタイトルは「路上喫煙「逃げ得」横行 後日納付の7割滞納 千代田区:朝日新聞デジタル」となっているのでしょう。

これは問題提起をしている一方で路上喫煙する人に要らぬ知恵をつけさせる記事になっています。「そうか!どうせバレないんだから、今度から取り締まりを気にせずに吸おう。取り締まりにあったら、後払いにすると言って出鱈目を教えてやれば問題なし!」色んな意味で酷いですね。今まで素直に従って支払った人も馬鹿らしくなって、真似しちゃうかもしれません。

そもそも千代田区の条例ってどういうもの?

路上喫煙に罰則を課したということで有名になりましたが、肝心の法律を読んだことが無いので確認してみました。

罰則の規定は以下の通りです。


条例では、「路上禁煙地区」での喫煙や吸い殻のポイ捨てをした場合、「環境美化・浄化推進モデル地区」での置き看板などの路上障害物により明らかな通行の障害や危険がある場合、空き缶などのごみを捨て、著しく生活環境を害している場合などには、2万円以下の過料(当面は2千円)を罰則として適用しています。

このため、休日や夜間を含む毎日巡回パトロールを行っています。

「罰金(刑事罰)」では実効性の確保が困難と考え、行政罰である「過料」を導入しました。また、「環境美化・浄化推進モデル地区」内で、改善命令を受けても従わないなど悪質な場合には、区長が氏名公表または告発し、5万円以下の罰金に処することとしています。

罰則は、あくまで人々のマナー・モラルの向上を呼び起こす「手段」であり、それにより、安全で快適なまちを築いていくことが本来の「目的」です。

最初の部分は当面2,000円だけど、20,000円を本来して貰うように考えていると書いています。当面が既に10年続いていますけどね。とっくの昔に様子見の初期流動時期は過ぎていると思いますし、10年前より様々な物価が変わっている状況で格安料金で据え置きというのは随分と弱気だなあと思いました。2,000円は少し痛いな程度かもしれませんが、20,000円となれば一般人であればコリゴリする痛さになります。法的にそういう設計なら遠慮なく明日からでも上げればいいのに…。

しかし、それ以上に問題なのは後半です。「罰金(刑事罰)」では実効性の確保が困難と考え、行政罰である「過料」にしたとのことです。つまり支払わせる強制力が無いのです。

続く部分に改善命令を受けても従わないなど悪質な場合には、区長が氏名公表または告発し、5万円以下の罰金に処することとしていますが、現実には悪質判定などした実績は無いのではないでしょうか?少なくとも現場で取り仕切っている人達に嘘をついてもお咎めが無いし、嘘か本当かの確認する権限が与えられていない訳です。そこら辺のレンタルビデオ店ですら会員になるのに免許証を要求しますが、そういうことすら出来ない訳です。常識的に考えて、後払いをするというのはツケみたいなものです。いや科料ですからツケどころじゃないんですが、後からちゃんと支払うことを信用して何も担保を取らないのです。

どこをどう考えてもおかしいです。やっちゃ駄目と言われていることをやるような人達です。場合によっては踏み倒し逃げ得の常習犯です。信用なんか出来る訳もないでしょう。踏み倒されるべくして踏み倒されている。これは制度設計上の問題でしょう。

千代田区に限らず条例というものは強制力が乏しいみたい

みたい…っていうのは、ここら辺門外漢で自信が無いんですよ。もしかしたら、強制力のある条例もあるのかもしれません。条例 - Wikipediaでは以下のような記述がありました。


実効性の確保[編集]

前述のとおり条例で規定できる行政罰は2年以下の懲役若しくは禁錮、100万円以下の罰金、拘留、科料若しくは没収に限られており(14条)、また直接強制や課徴金などの強制手段を規定することは現行の地方自治法上認められていないことなどから、条例による規制は法律によるそれと比べて事実上その実効性が弱く、検察当局との連携強化など実務上の運用改善を含め、実効性の確保をいかに図るかが課題である。

地方自治法では強制実行して、科料を取り立てることが出来ないため、実効性が弱いとあります。これがちょうど「徴収に限界がある」の裏付けになるように見えます。

今一つ腑に落ちないのはその一方で行政罰はもっと重いところで懲役や没収についての記述があって、素人目には矛盾しているようにしか見えないのですけれど、これは何なんでしょう?もし、そういう裏付けがあるなら踏み倒したり、虚偽を教えるような人は、それこそ100万円払わせるなり懲役にするということにしておけば十分脅しが効いておかしな真似はしなくなるように思うのですけれどね。

終わりに

ただ、どうもこの受け取られ方を見ている分には条例というのは弱いです。罰則は、あくまで人々のマナー・モラルの向上を呼び起こす「手段」であり、それにより、安全で快適なまちを築いていくことが本来の「目的」です。などと趣旨を精神的な成長に置いていますけれど、施行して10年未だにポイ捨てや路上喫煙が一定数以上いる以上、そんな成長などは期待するだけ無駄なのです。

喫煙者には喫煙者の言い分はありましょうが、その言い分が「逃げ得」まで正当化する開き直りになるようであれば条例など意味がありません。厚生労働省の健康増進法改正案は室内の受動喫煙防止対策中心ですが、室外の「ポイ捨て」「歩きタバコ」禁止も含めて国法にしていくことをもっと前向きに検討した方が良いのではないかと思いました。