ぐだぐだわーくす

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クールビズの欺瞞を裏付けるため室内温湿度と不快指数を実計測してみた

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こんにちは、DACです。

前回エントリ「山本公一さんと小池百合子さん、あなた方のお仕事って一体なんでしたっけ? - ぐだぐだわーくす」に引き続き、クールビズの28度設定への言及を継続します。

今回は趣きをガラッと変えて、法的根拠、科学的根拠、他国の規定と言った温度設定を決定づけた外的要素から離れます。

今回の方向性

小生が実際に2017年5月12日に過ごした体感温度に近い温度計測結果を披露して、そこに自分なりの考察を加えていきます。

使用機材

検証環境の制約

記録プロセスの問題

Tukeru THはBluetoothでP9liteにインストールした温湿度ウィジェットアプリからポーリングされて計測データを送信する。Tukeruはデータロガーと異なりセンシングしか行わない。

つまり、データを単体では保持せず、定期的にアプリ側から要求を受けたタイミングでの計測値をアプリ側に引き渡すだけである。データの記録はアプリにのみ行われる。従って、Bluetoothでの接続状態、ビーコンの認知状態といった前提部分でデータの要求から出力までのプロセスで何かしらの齟齬があるとデータの記録そのものが行われない。*1

小生の身の回りの室温を計測

クールビズの28度設定には広く誤解されているところがある。


さらに勘違いされがちなのが、空調の設定温度を28度にすればよいという思い込みだ。本来は、室温を28度に、の意味である。空調の種類によって、温度の測定の仕方は異なる。壁のセンサーで計測するもの、空調機に戻ってきた空気の温度を計測するもの。空調はその温度を設定に近づけるように動くため、実際に人がいる地点の温度とずれることがままある。外からの熱を受ければ天井や壁の温度は上がるため、最上階、窓際など室内の場所によっても体感温度にムラが出る。
従って、今回の計測の観点は気象庁の発表する外気温ではなく、空調機械の設定温度でもない。小生が過ごしている身の回りの室温として在席する際は、デスク上の身辺寄りにTukeruを配置して計測した。

ただし、小生常に椅子に座って勤務している訳ではない。トイレにも行くし昼食は外で取っているその際はTukeruを服の外側に付けて移動した。この際、在席時よりセンサーが身体に近く体温他が温度、湿度両方に影響を与えている可能性がある。この点は勘案の上見て頂きたい。

データの目視記録による誤謬可能性

温湿度ウィジェットアプリは計測結果をポーリングに成功した最新データを表示する機能と記録した温度、湿度をドットで点描するしてグラフ化する機能が実装されている。しかし、アプリ側で保持しているデータをエクスポートする機能が存在しない。

もし、Androidのアプリのデータ管理に精通していれば直接データファイルを抜き出せたかもしれないが、小生には出来なかった。そのため、記録は一旦記録された最新データ及び点描の履歴を目視したものを手動でExcelに記録し直している。大幅な誤差は無いよう心掛けたが、アプリの記録から乖離している可能性があることも付記しておく。

計測結果

アプリスクリーンショット

温度グラフ

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湿度グラフ

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データ記録履歴

温湿度グラフ

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横軸がアプリと異なる点、ご留意願いたい。アプリでは横軸は均等となっているが、このグラフでは目視記録可能であったものを全て不均等なタイミングであっても記録して等幅でグラフ化している。そのため、個々の数値の判断は可能だが時系列に合わせての変化を読み取るのは困難である。

また、温度と湿度の羅列だけでは何故変化が起こっているかが分からないと思うので次項と併せて状況を説明する。

不快指数、体感状況、計測場所

クールビズの指定は室温のみであるが、現実問題この定義だけでは何の意味もない。湿度を併せて計測したのは、温度と湿度から不快指数を算出するためである。

不快指数とは、不快指数 DIを乾球気温と湿度からDI = T * 0.81 + H * 0.01 * (0.99 * T - 14.3) +46.3で算出される夏の蒸し暑さを数量的に表した指数である。(Tは乾球気温℃、Hは湿度%)この数式に基づいて上記の温度と湿度をあてはめて不快指数化を行った。指数だけでは実際の感覚とは乖離が生まれる可能性があるため併せて小生の体感状況を併記した。

更に、先に書いたように一か所で計測し続けた訳ではない。どこで計測したかをおおよそ書いてある。異常値と思しき変化には背景があることが分かるだろう。同一ヶ所における変化については別途後述する。
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幅760pxやスマートフォンでは見辛いとは思うが原寸画像であれば判読可能と思う。

考察

室内温度

小生が多くの時間を過ごした事務所のデスクや会議室は、基本的に室温28.0度でクールビズの規定通りの設定がされている。これは前述した通り、事業者が誤解をしている点で本来はクールビズの指定の28度は空調の指定温度ではない。室温である。

しかし、温度グラフまたは表を見て頂ければ分かるが、室温もおおむね28度から29度周辺を維持している。従って、指定された快適な室温から逸脱はしているものの誤差範囲と解釈可能な領域である。異常値として記録されているのはトイレ、昼食、退社後の移動、自宅であって、デスクや会議室は正常値と判断して良い。

但し、注視して頂きたい点は別にある。この日の気象庁の外気温の記録を一覧頂きたい。
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外気温の最高値は13:49の28.3度であるが、27度以上を記録したのは13時と14時のみである。一方室内温度は常に28度を超過している。これは密閉されたオフィス環境ではありがちな話だが、外気温が上がろうが下がろうが空調機器で指定された温度で室内温度が決定づけられる。確かに外気温や日の光なので建屋内の空気が暖められてそれが維持されやすいということもあるだろう。また、内部に存在する事務機器や人間の発する体温の影響もあると思う。

いずれにせよ外がいかに涼しくなろうと室内温度はそれに影響をあまり受けず、空調の設定に依存した室温を維持する。もし、空調が無かったとしても恐らくは温度は上がりこそすれ下がり難いと推定出来る。

室内湿度

これは単体で判断してもあまり意味が無いかもしれないが、50%から45%あたりで維持されている。これは、東京としては別におかしい数字ではない。日本国内の各県と比べた場合、東京は湿度が最低の位置づけで乾いている

ただ、これも先の気象庁の外湿度と比較すると差異は明確だ。気温と同様50%以下となるのは12時、13時、14時のみでありそれ以外はもっと湿度は高い。これもまた空調によって一定の低さを留めていると推測できる。

不快指数

室内温度や室内湿度を単体で見た場合、外気温、外湿度との差異は分かるものの即ち異常値かというとそうではない。むしろ正常で快適な領域の値を維持している。

しかし、これらを以て不快指数を計算すると状況は全く変わってくる。不快指数は以下のように閾値5ごとに体感が変わると言われている。
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快いの65-70の帯域が記録されている時間は、デスクや会議室では殆ど存在しない。おおよそは「熱くない」の70-75となっており、たまに「熱い」の75-80の領域に踏み込んでいる。明らかに不快な状況になったのはトイレと昼食を取ったラーメン屋でさもありなんと思うところだが、出来ればトイレはもう少し快適な環境を保ってもらいたい。退社後の移動時はまだ人が多い時間帯であったが、湿度が一気にあがり不快指数は「熱くない」となっている。

小生の体感

自分の個人的な体感で当然これは一般化は出来ない。しかし、小生にとっては、大事なのはクールビズの設定値でも不快指数での評価付けでもない。小生自身が快適と感じられるかどうかが最も大事なのだ。

世間一般に合わせるべく標準値としての規格が設定されている訳だが、はっきり言えばそんなものはどうでもよいのだ。土台をひっくり返して台無しにするようだが、これは閲覧している方々それぞれにおいても重要なことなのでしつこく強調しておく。規格がどうのこうのではなく、自分が本当に快適であるかどうかをその時点で確保できることが最重要なのだ

殆ど不快指数と連動した感想を書いているが、時に不快指数では「暑くない」でも小生は「暑い」と感じた。また、ラーメンを食べている最中は確かに「暑い」と感じてはいたが食欲が勝っていたこととラーメン屋という場所を勘案してかとんでもなく「暑い」とは感じておらずこんなものだろうと容認していたことも付記しておく。暑い暑くないは絶対的な評価ではなく、その時点の状況や思考によって前後しうるものなのである。逆に言えば、どれだけ規格上大丈夫だと主張されても暑いと思えば暑いのだ。

この感覚が個々人ごとで相当ずれがあることを考えると規格を設定せざるを得ないことも分かる。よく言われることだが、28度設定でも寒い人も一定数以上いる。そこも考慮には入れなければいけない。

終わりに

だから何だと言われると答えに窮する。

しかし、クールビズの指定で空調設定をして室内温度が概ねその値を維持しても、不快指数的には快適ではない。また、小生個人としても15時以降の外気温が下がった後の不快さには閉口し、さかんにうちわで仰ぎながら辛い状況を凌いでいた。クールビズでこう指定されているから、業務効率も最適だし、気持ちよく過ごせるという説には正直同意しかねる。

最低限、室内温度と室内湿度、それにもとづく不快指数を定点的に観測し最適な環境を再現できる指標を設定しなおすべきであると考える。

無論、感覚的なものには個人差がある。従って、複数の人間がいれば指標では満足できない人も出てくるのは必然的な帰結だ。そうとはいえ、1000人いれば800人くらいはおおよそ満足するし残りの人も我慢できる領域というのは指標化出来ることだろう。そこにしっかりした裏付けが提示されていれば、後は人の方がクールビズで対応して指標と体感の差を埋めるというのは納得感を生むことが出来る筈だ

データについて

今回エントリ上では画像にて提供を行ったが要望があればデータを提供可能である。必要に応じTwitter他でご要望があれば手順を検討の上提供を行う。

今後の計測

今回の計測でTukeruでの計測は継続的に出来ることでは無いとよく分かった。可能であれば、温湿度ロガー製品として販売されているものを入手したい。センシングデバイス自体が単体で計測と記録の蓄積を行うものでなければ有意な数値を安定して取得することは不可能だ。IOTの流行で温湿度センサはラインナップされている機器も多くなったが大抵はこの要件を満たしていない。

もし、万が一メーカの方などが見られているならばひと夏期間で良いのでテスターとして貸与下さることがあればとても嬉しい。専用のロガーは高価だ。一点だけの定点観測では無く可能であれば複数個所の同時計測を行って結果を纏めたいと考えている。残念ながら自分の可処分お小遣いでは一台の購入がやっとなので、なんとかできたら本当に嬉しい。

閲覧者の方へ

もし、この結果に興味を持ったのであればご自分の身辺の室内温度、室内湿度、不快指数の計測を行って下さると嬉しい。こういった結果は多ければ多いほど意味が出てくるように思う。計測環境さえ整えることが出来れば計測そのものは大した負荷は無い筈だ。

所詮素人の勝手計測で精度的にも検証環境的にも不完全な結果とはなるだろう。しかし、クールビズの指標を使ったり、空調を使うのは我々市井の人間であって学者でも役人でも政治家でもない。何を大事にすべきかを自ら把握していくことは重要だと思う。*2

*1:実際にセンシングされていても無かったことになる

*2:id:ghostbass id:iwatako id:crh58ya13g id:sakagami333 id:deogolden id:suta0 id:lastline 前回エントリの不完全性をカバーできるものではありませんが是非ご一読ください。この内容を以て本件は一旦完結します